記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

子どもを育てる碁学力

特段に新たな気付きはあまりなかったが、囲碁によって”大局観”や”相手の立場になって考える”力などが養われるというのは非常に納得。私も囲碁で対局する際、自分の思いで石を置き、相手に石を置かれて初めて”あ、しまった”、と思うことがある。これは相手の…

囲碁インストラクター、稲葉さんの本。綺麗な方だ。稲葉さんと囲碁を愛する方たちとの交流がメインだが、堀江貴文、後藤田正純、茂木健一郎、渡辺淳一、夏木静子、遠藤周作、等々有名な方が多く驚く。人それぞれ囲碁の打ち方に個性がありおもしろい。改めて…

素数

最近、素数に興味がありいろいろと数論の本を読んだりしている。 私は数学専攻の学生だったが、学生時代はあまり素数に興味はなかった。それよりもリーマン面といった幾何学的対象に興味があった。 数論への興味のきっかけの1つは、加藤和也先生や黒川先生…

数論 I Fermatの夢と類体論

最近、なぜか数論に興味がありいろいろと読んでいる。 この本はすごく良かった。 数学の本は定理・証明の専門書か、非常に簡単な入門書になりがちだが、この本はその中間というか、適度に証明を交えながら具体例豊富にまず全体的なイメージを喚起されるよう…

コホモロジーのこころ

読み物風の本だと思って何年か前に購入した際、中を見るとがちな数式だらけで読む気にならず放置していた。その後も時々読んでいたがどうにも理解が進まなかった。最近代数幾何や代数解析の本を時々読んでいるが、その後に読んでみると、まさに圏論やコホモ…

数学の学習

最近思うこと。 子どもの頃、算数や数学を学んで、なかなか難しくて苦労するのだが、学年が上がって数年前に習ったことを見ると非常に簡単で当たり前のように思える、というのが不思議だった。他の教科でもこういうことはあるかと思うが、特に算数・数学にお…

可変思考

フィールズ賞数学者、広中先生の本。参考になった点 複雑なものは、単純なものが落とす影だ複雑な事象から要素を切り落として単純化するのではなく、逆に付け加えることで単純化できること。引いてもだめなら足してみよう。著者の特異点解消定理に基づいた有…

運命を変えた大数学者のドアノック: プリンストンの奇跡

すごくおもしろい本だった。 著者はカルフォルニア州立工芸大学名誉教授の加藤五郎先生。著者の数学を中心としたアメリカ生活が描かれているが、出てくる数学者がドリーニュ(本ではドゥリングと記載)、ヴェイユなど超一流数学者たちで凄い。アインシュタイ…

この定理が美しい

”サリバンの遊走領域非存在定理”、”ハッセの定理”等興味深かった。 印象に残ったのは、石井先生が書かれていたガロア理論の箇所。学部の頃にガロア理論を勉強して、うまくいっていることのありがたみがわからなかった、とのこと。ガロア理論の美しさ、ありが…

ユークリッドの窓

テーマは幾何学。ユークリッドからガウス、アインシュタイン、そして最先端のウィッテンの世界へ。幾何学的な内容もさることながらこれら天才たちのエピソード的なネタがとても楽しかった。 例えば、シュレーディンガーは物理学会のドンファンで、「私と一夜…

複素代数幾何学入門

学生の頃読んだときは何をやろうとしているのかさっぱりわからない本だったが、小木曽先生の”代数曲線論”をある程度読んだ後に見ているとイメージが湧いてきた。層の説明ののちリーマン・ロッホの定理など代数曲線論を展開していくあたり、小木曽先生の本と…

探究する精神 職業としての基礎科学

大栗先生の本はいつも内容が濃くはずれがなく、買ってよかったと思う。本書もすごく良かった。 本書では大栗先生の少年時代から大学、研究者としての自伝的な内容が記載されている。物理学者として世界的に大活躍されている大栗先生。どのような人生を歩んだ…

数学の学習法

大学・大学院レベルの数学は難しい。私は大学院まで数学を専攻し卒業後は趣味で勉強しているが、数学書の読み方はいろいろあり、それらを組み合わせて勉強していくのが良いと最近思う。 さっと斜め読みをして概要をつかむ 行間を埋めながらじっくりと読む 書…

もうひと押しができない! やさしすぎる人のための心理術

著者は東大医学部卒の精神科医。軽いタッチで恋愛や仕事など様々なケースで使える心理学テクニックを紹介。 一番印象に残っているのが基本的だが”ハンドルネーム”、要所要所で相手の名前を呼び掛けることで相手の心をつかむ。これすごく基本的なことだが、私…

中学受検

都立中学の受検に関して思ったこと。 都立中学の受検では自ら考える力を求められる。このために重要なのは、過去問をやってパターンを覚える事ではなく、地頭を鍛えることが重要と考える。パターンを覚えれば似たような問題が出れば対応できるが、そうでない…

量子とはなんだろう

ものすごくわかりやすかった本だった。著者の説明がうまいことと、具体例が豊富であるからだろう。平易な解説ながら、内容は量子力学の基本的なところからファインマン経路積分やベルの不等式、量子コンピュータまで非常に豊富。 ところでp.168の作用汎関数…

家庭学習

現在、都立中1年の長男が小学校低学年のとき、家庭学習としては主にこれをやらせていた。私が休みの土日のみ、20-30分くらいの非常にのんびりペースで... 長男は本が好きで、国語は大丈夫かと思っていたので、主に算数を教えていた。この問題集は良問が多く…

学びのスタイル

昨日は本屋でいろいろ本を見ていた。そこでちょっと思ったこと。 英語コーナーを見ていた。学生時代からよく英語の本を買った。ちゃんと勉強したのもあれば、積読になっているものも多数。しかし今日は、全く買う気にならないことに気が付いた。 理由は、昨…

数学の勉強

私は1990年前後に数学科の学生で数学を勉強していた。そして難解な数学書を前になかなか理解が進まず非常に苦労した思い出がある。 そして数学とは関係ない仕事に進みしばらく数学を離れていたが、インターネット時代となりAmazonで読みやすい本が簡単に手に…

研究するって面白い!――科学者になった11人の物語

科学者になった女性達の物語。小さいころから科学少女で、といった人は少なく、どちらかというと紆余曲折して科学者になった人が多いという印象。科学者になれる人は一握りで、才能も有りますが自分にあった分野や先生に巡り合えるかといった運もあるんだろ…

羽生善治の将棋の教科書

購入したときはあまり読んでいなかったが、改めて読んで基本的な戦法などわかりやすく書かれており、良い本だと思います。実際に並べながら読んでます。 上の息子が将棋部に入り、日々将棋を指し、戦法も覚えどんどん強くなっています。戦法の話を教えてくれ…

父と子の中学受験合格物語

著者は作家。そのためうまい文章だが、その分記述が長くなかなか進まないので途中で飽きてしまった。 週4、16:45-21:10の塾通いが、夏休み5日間 1一日10時間の合宿など、受験戦争の過酷さがよくわかった。 最近茂木健一郎さんが中学受験の低年齢化に危機感…

タイヒミュラー空間論

学生時代に買った本。当時はさっぱりわからなかった。リーマン面に関する知識が足りな過ぎたのだと思う。基礎知識不足でした。その後リーマン面や双曲幾何など勉強し段々イメージが湧いてきた。タイヒミュラー空間をパラメタライズするために、フックス群を…

現代数学の流れ2

”リーマン予想と20世紀の代数幾何学”という章がすごく良かった。数論と幾何学が結びついていくというのが非常によくわかる。またグロタンディクが代数幾何学の大変革としてやろうとしていたことのモチベーションが数論に適用できる幾何学の建設であったこ…

デカルトの精神と代数幾何

代数幾何の豊富な話題で、副読本として良い本だと思います。代数曲線、複素多様体、モジュラス、3次元多様体など多岐にわたる。代数幾何はなかなかとっつきにくい分野なのでこうした本でイメージを喚起しながら勉強するのが良いかと思います。 私は学生時代…

すでに目覚めている

生を今あるままにしておくことで-思考や「私」を取り除こうとしたり、「悟り」を開こうとして頑張るのではなく-探求は自然に消え落ちることになる。劇の中では、「私」から抜け出そうとしてどんなに努力しても、「私」との同一化を強めるだけだ。p.18 何でも…

あなたも私もいない

手に入れるべきものは何もありません。ただ普通の暮らしが続くだけです。違いといえば、もしあなたがそれを違いといいたかったらの話ですが、行為者はいないという認識があることだけです。その認識があれば、なされるべきことは全てなされることになってい…

多変数解析関数論 (第2版) ─学部生へおくる岡の連接定理

初版を持っていたが増補された第二版が出たので購入。まだまだ読んでいる途中ですが、記載が現代的で、多変数関数論の本としては読みやすい方だと思います。特に層に慣れている人には。最初に見たときは難しくてなんだかさっぱりわからない印象でしたが、何…

〈子ども〉のための哲学

ぼくと他人のちがいはどこにあるのか。...ぼくと他人たちとの違い方とは、現に全然ちがうちがいかたをしている。この特別なちがいかたはいったい何なのか。ぼくであるというこの特別さは、いったいどこから来るのか。ぼくというものは、いったい何なのか?(p…

われ在り - ジャン・クライン

条件付けから自由になる唯一の方法は、記憶抜きで、つまり条件付けの共犯者抜きで見ることです。(p.23) アドヴァイタの教えを非常にシンプルに本質を述べている本。この手の本では一番わかりやすい印象。言っていることは非常にわかる気がする。200ページ強…