記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

数学の学習

最近思うこと。

子どもの頃、算数や数学を学んで、なかなか難しくて苦労するのだが、学年が上がって数年前に習ったことを見ると非常に簡単で当たり前のように思える、というのが不思議だった。他の教科でもこういうことはあるかと思うが、特に算数・数学において顕著だった気がする。

 

今でも数学の勉強をしているが、これは今でも感じる。代数幾何でいうと、複素代数幾何の本、なんて難しいんだろうと思っていたが、より抽象的なスキームベースの代数幾何の本を読んだ後に複素代数幾何の本を読むと、非常に具体的でわかりやすく思える。そして以前は難しくて挫折していた本が急に読めそうな気がしてくる。さらに古典的な代数幾何の本を読むとさらにわかりやすく思える。

これにはいろいろな理由があるだろう。例えば、

・スポーツでウェイトなど負荷をつけた練習をしたあとにウェイトをはずすと体が軽く感じるといった相対的な感覚がある。これに似た感覚

・よりハイレベルな、視野が上のことをやると頭が整理される。より上の階から下を眺めるようになるような感覚

 

数学を得意になるためには様々な方法があるが、どんどんハイレベルな分野にチャレンジする、というのも1つの方法だと思う。例えば高校数学を得意になるためには、高校数学の問題をガンガン解くというのは王道だが、それだけではなく大学レベルの線形代数微分積分にチャレンジする、というのも効果的ではないかと思う。自分の経験でも、例えば行列、高校のときにはそれなりに難しいと思っていたが、大学で線形代数を学んでn×n行列の議論に慣れた後に高校数学の2×2行列をみるとまるでおもちゃのように見えた記憶がある。子供たちにもこれを活かして、躊躇せずハイレベルな数学を教えていきたいと思っている。