記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

われ在り - ジャン・クライン

条件付けから自由になる唯一の方法は、記憶抜きで、つまり条件付けの共犯者抜きで見ることです。(p.23)
アドヴァイタの教えを非常にシンプルに本質を述べている本。この手の本では一番わかりやすい印象。言っていることは非常にわかる気がする。200ページ強の本だが、ほぼ同じことを繰り返し述べている気がする。 著者がいっているのは、結局、自分というのは思考や身体ではなくその背景である鑑賞者だ、というに尽きるのだろう。これは他のアドヴァイタ系の人はほぼ同じことを言っている。多くの人が同じ状況に達して同じことを語っているのをみると真実味が高い。 これは理屈としてはなんとなくわかるが、なぜそれが本当の自分なのか、とか、なぜ時間を超えた永遠の光なのか、ということは実感としてはわからない。この辺りは体験しないとわからないことなのだろう。せいぜいできることは、例えばわからないわからない、といった思考を追わずにあまり気にしないようにするというくらいなのかと思う。よくこうした覚者が述べているのは、こうした境地にいたるには、何かをする、というよりはどちらかというと何かをしない、という方が近いということだ。 YouTubeに著者の動画がある。ただ私には著者の英語は聞き取りにくい。