記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

本-数学

フォン・ノイマンの哲学

著者は哲学が専門の方。タイトルの”フォン・ノイマンの哲学”というタイトルほど哲学が語られているわけではなくノイマンの伝記という感じであったが、超人的な天才ノイマンの話で非常に興味深かった。以前からノイマンは興味があり概略は知っていたが、本書…

Pythonではじめる数学の冒険

シンプルなPythonコードで数学に親しめる楽しい本。 マンデルブロー集合もシンプルなコードで簡単に書ける。とはいえ最初動かなかったがよくよくみたらreturn分のインデントを間違えていた(改ページしていてインデントがわかりにくかった)。

完全なる証明 100万ドルを拒否した天才数学者

100万ドルの受領を拒否した謎の天才数学者ペレルマンに興味がありざっと読んだ。ペレルマンが少年時代を過ごしたソ連における数学教育など詳しいが、ざっと読んだだけでは周辺のことに詳しい分ペレルマン本人についての情報がつかみにくい印象(あまり情報が…

志学数学

これらによって数学は「印刷された本に書かれたもの」から「自分の頭の中に生命をもって成長していくもの」に少しづつなっていくはずです 数学の勉強の仕方から研究の方法、発表にいたるガイド。後半は私には直接関係ないが数学の勉強の仕方は参考になり良か…

この定理が美しい

”サリバンの遊走領域非存在定理”、”ハッセの定理”等興味深かった。 印象に残ったのは、石井先生が書かれていたガロア理論の箇所。学部の頃にガロア理論を勉強して、うまくいっていることのありがたみがわからなかった、とのこと。ガロア理論の美しさ、ありが…

複素代数幾何学入門

学生の頃読んだときは何をやろうとしているのかさっぱりわからない本だったが、小木曽先生の”代数曲線論”をある程度読んだ後に見ているとイメージが湧いてきた。層の説明ののちリーマン・ロッホの定理など代数曲線論を展開していくあたり、小木曽先生の本と…

研究するって面白い!――科学者になった11人の物語

科学者になった女性達の物語。小さいころから科学少女で、といった人は少なく、どちらかというと紆余曲折して科学者になった人が多いという印象。科学者になれる人は一握りで、才能も有りますが自分にあった分野や先生に巡り合えるかといった運もあるんだろ…

現代数学の流れ2

”リーマン予想と20世紀の代数幾何学”という章がすごく良かった。数論と幾何学が結びついていくというのが非常によくわかる。またグロタンディクが代数幾何学の大変革としてやろうとしていたことのモチベーションが数論に適用できる幾何学の建設であったこ…

デカルトの精神と代数幾何

代数幾何の豊富な話題で、副読本として良い本だと思います。代数曲線、複素多様体、モジュラス、3次元多様体など多岐にわたる。代数幾何はなかなかとっつきにくい分野なのでこうした本でイメージを喚起しながら勉強するのが良いかと思います。 私は学生時代…

多変数解析関数論 (第2版) ─学部生へおくる岡の連接定理

初版を持っていたが増補された第二版が出たので購入。まだまだ読んでいる途中ですが、記載が現代的で、多変数関数論の本としては読みやすい方だと思います。特に層に慣れている人には。最初に見たときは難しくてなんだかさっぱりわからない印象でしたが、何…

直観でわかる数学

ピンとこない本だった。はまる人にははまる良い本なのでしょう。 余談だが、微分方程式のところで、英語の仮定法過去の例をあげ、”私は外国の研究者と一緒によく仕事をしたが、一度として仮定法など使ったことがないし、彼らが使っているのを聞いたことがな…

リーマン面の理論

著者は代数幾何を専門とする元東大教授。リーマン面に関して複素解析の基礎的なところからヤコビ多様体、アーベル多様体といった高度な内容まで。途中からついていけなくなりましたが、雰囲気はわかり良かったです。小木曽先生の代数曲線論を参考にしたとの…

数学まなびはじめ 第2集

一流数学者たちの数学学び始めの頃のお話。以下印象にのこったところ。なかなか数学の本は難しくて理解できないことが多いですが、繰り返し読んだり書き写したりの地道な努力が重要かもしれません。 小平邦彦 ・「代数学」を読んでいて、なかなかわからない…

フェルマーの最終定理・佐藤-テイト予想解決への道

まだざっと読んだだけだが、類体論、非可換類体論、フェルマーの最終定理などの概説が非常にわかりやすく書かれている素晴らしい本。こういう本を読むと学習意欲が高まりますね。加藤先生の本はいつもわかりやすく素晴らしいです。

世にも美しき数学者たちの日常

リーマン予想で有名な黒川先生や加藤文元先生へのインタビューによる数学者の日常。おもしろかったです。 数学の勉強法としても参考になりそうな箇所が多々ありました。 黒川信重先生 ・電車の中で研究する。実家から東工大までの2時間半で研究をしていた。…

代数幾何

スキーム論に興味があり読み始めました。 行間も少なく、スキーム論を含んだ代数幾何学の本としては恐らく最も読みやすい方だとは思うが、それにしてもやはり具体的な幾何学に入るまでの準備が長く、代数幾何学はやはり敷居が高いと思いました。 私のような…

学問の発見

学問の発見 数学者が語る「考えること・学ぶこと」 (ブルーバックス)著者 : 広中平祐講談社発売日 : 2018-07-18自伝的な本で数学者としての仕事の様子が描かれているが、出てくる名前がグロタンディックやザリスキーなど高名な方ばかり。改めて広中先生の偉…

低次元の幾何からポアンカレ予想へ ~世紀の難問が解決されるまで~ (数学への招待)

低次元の幾何からポアンカレ予想へ ~世紀の難問が解決されるまで~ (数学への招待)著者 : 市原一裕技術評論社発売日 : 2018-01-06ポアンカレ予想を中心に低次元トポロジーの世界が豊富な図と共に明快に解説されている素晴らしい本。とはいえ、3次元多様体の…

数学する身体

数学する身体著者 : 森田真生新潮社発売日 : 2015-10-19非常に格調高い文章。「日本の田舎の山の中、まるで百姓のような格好で農耕と念仏と数学研究に耽り、国内でもいまだ無名の数学者だった岡の名がにわかに世界へと広まったのだ。」といった表現など岡潔…

代数幾何入門

長らく積読だったが、ざっと読んだ。代数幾何の本としては入りやすい本だと思うが、それでもやはり難しい。軽く読んでいると、3章の代数多様体の辺りから抽象的でついていけなくなってきた。再読しようと思います。

曲がった空間の幾何学

微分幾何の基礎的な所から最先端のペレルマンによるポアンカレ予想の解決まで、平易な解説でうまくまとまっていて良い本でした。もちろん最先端の部分は雰囲気を伝える程度ですが、それでも何を知らなかったので雰囲気がわかって良かったです。 いきなり専門…

ガロアとガロア理論

1896年に書かれたガロアの伝記に、東大教授 辻雄さんのガロア理論概説がついた本。辻雄の解説が良いという話を聞き読んでみました。確かにコンパクトにエッセンスがまとまっていてよい本でした。また、その後の数論幾何への発展なども解説されていて、このあ…

楕円関数論

非常に丁寧な楕円関数の本。分厚いのは説明が丁寧だからですね。名著だと思います。楕円関数を最初に勉強するのに一番良いのではないでしょうか。ただ計算が多いので途中から飽きてきて斜め読みになってしまいました。一人で読むのではなく、輪講などでみん…

方程式―解ける鎖、解けない鎖 (数学が育っていく物語―第5週)

志賀先生の本は良い本が多いですね。本書も読みやすくてとてもいいです。 まずは5次方程式の解の公式が存在しないことを、クロネッカーの証明で説明。類書にない珍しい点だと思います。 そしてガロア理論の紹介。ガロア理論に関する詳しい証明はありません…

数学する人生

多変数関数論で日本が世界に誇る数学者、岡潔さんの随筆に、独立研究者(?)森田真生さんが編集と解説を加えた本。数学に仏教(釈迦、道元)や芭蕉と絡めて数学や人生、芸術等について語っています。 仏教について語っているところはピンと来なかったが、数学…

曲線と曲面の微分幾何

確か学生の頃に少し読んだ。久しぶりにまた読んでみたが、丁寧な語り口で、改めて名著だと思う。偉い先生が書く本は難しいことが多いが、小林先生は超偉いのに語り口は優しい。「...の正体はもっと進んだ微分幾何の本を読まないとわからないが、ここでは次の…

双曲幾何学への招待―複素数で視る

絶版だが良く参考文献に載っている本。Amazonで中古を購入。 噂通り、前半は丁寧に基本的な双曲幾何の解説だが、後半はかなり高度。でも図も方法で、見ているだけで楽しいです。3角獣とか。オービフィールドはなんだかおもしろいですね。興味を惹かれます。 …

代数曲線論

字ばかりで一見とっつきにくそうだが、実はなかなか親切で筆者の思いがところどころ入っていて良い本。なぜコホモロジーを考える必要があるか、など丁寧に説明。 第4章の、トーラスを2次元射影空間に3次曲線として埋め込む話や、第7章の種数3のコンパク…

平面図形の位相幾何

ざっと読んだだけですが、わかりやすく良い本でした。平面図形を材料に具体例豊富にド・ラーム・コホモロジーが解説されてます。

現代数学の源流 上

現代数学の特徴を、「複素数を日常的に使うこと」と捉えて、現代数学の源流を解説する素敵な本。複素数が好きな人にはとても魅力的な本です。上では複素関数論やゼータ関数、リーマン予想、といった魅力的な話題が解説されてます。