生と覚醒のコメンタリー 1 新装版: クリシュナムルティの手帖
大学生の頃から読み始めたクリシュナムルティ。強烈なインパクトを受けて読みふけっていたものの、よくわからず困っていた。平易な言葉で語られており言っていることは確かにそうだろうと思うが最後まで読んで何かがわかったかというと結局なんだかよくわかっていない。それでも時々読みたくなり読み返している。結局何でよくわからないかというと、クリシュナムルティはわかろうとするもの、自我、理性、精神、言葉、といったものを否定しているからだろう。だからわかる、ということがないのだろう。わかろうとする機能自体を否定している。彼は人間は”精神という監獄”にとらわれていており、そこからの解放が必要であることを訴える。ではどうしたらよいのか。そのどうしたら、とということ自体が精神の働きだから難しい。というか、何かをしよう、ということ自体が精神の働きであり、そういう領域にとらわれている限りは解放はない、ということを言っているのだろう。といったようなことが少し理解できてきた気がする。