フィールズ賞数学者、広中先生の本。参考になった点
- 複雑なものは、単純なものが落とす影だ
複雑な事象から要素を切り落として単純化するのではなく、逆に付け加えることで単純化できること。引いてもだめなら足してみよう。著者の特異点解消定理に基づいた有名な話。立体交差の例えがわかりやすい。こうした発想も重要と思う。 - 叔父が「数学」というパラメータを植え付けた
著者の周りには理系の人間や学者などはほとんどいなかったが、唯一、東工大で物理を学び研究者志向であったが夢かなわかかった叔父がおり、その叔父が語るニュートンやアインシュタインの話が刺激を与えた。これに似た話は他の有名な科学者、益川先生やファインマンの伝記で読んだ気がする。このように少年時代に科学や数学に夢を抱いている人が身近にいて刺激を与えた、ということが重要なようである。