記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

2021-01-01から1年間の記事一覧

早すぎた男 南部陽一郎物語

読みやすくとても良い本だった。 南部先生というと、天才というイメージだが、怠け癖があって朝家を出て出勤せず映画館で映画を見ていたり、プリンストン研究所時代は成果が出ずうつうつとしていたり、人間味ある一面がわかってよかった。 南部先生というと…

学習

学習、人が何かを学び身につけていくことに興味がある。特に、数学や物理の学習に興味がある。 高度な数学などを学ぶとき、最初はなかなかわからない。数式がまったく頭に入らなかったりする。が、粘り強く考えたり、数式をいじったり、書いたりしていると、…

人生観

中学生くらいの頃から何故か宗教や哲学に興味を持ち、わからないなりにその手の本を読みまくるようになった。般若心境、禅、ニーチェ、実存主義などの本を読む中学生は珍しいだろう。そして大学生になってクリシュナルティを知り夢中になった。。その後社会…

どん底名人

稲葉禄子さんの本を読んで出てきた囲碁棋士、依田紀基に興味が湧き本書を読んでみた。著者の人生が波乱万丈で、かつ示唆に富む本であり、あっという間に読んでしまった。囲碁、ギャンブル、借金、家族との離別など話題が豊富。とくに印象に残ったのは著者が…

子どもを育てる碁学力

特段に新たな気付きはあまりなかったが、囲碁によって”大局観”や”相手の立場になって考える”力などが養われるというのは非常に納得。私も囲碁で対局する際、自分の思いで石を置き、相手に石を置かれて初めて”あ、しまった”、と思うことがある。これは相手の…

囲碁インストラクター、稲葉さんの本。綺麗な方だ。稲葉さんと囲碁を愛する方たちとの交流がメインだが、堀江貴文、後藤田正純、茂木健一郎、渡辺淳一、夏木静子、遠藤周作、等々有名な方が多く驚く。人それぞれ囲碁の打ち方に個性がありおもしろい。改めて…

素数

最近、素数に興味がありいろいろと数論の本を読んだりしている。 私は数学専攻の学生だったが、学生時代はあまり素数に興味はなかった。それよりもリーマン面といった幾何学的対象に興味があった。 数論への興味のきっかけの1つは、加藤和也先生や黒川先生…

数論 I Fermatの夢と類体論

最近、なぜか数論に興味がありいろいろと読んでいる。 この本はすごく良かった。 数学の本は定理・証明の専門書か、非常に簡単な入門書になりがちだが、この本はその中間というか、適度に証明を交えながら具体例豊富にまず全体的なイメージを喚起されるよう…

コホモロジーのこころ

読み物風の本だと思って何年か前に購入した際、中を見るとがちな数式だらけで読む気にならず放置していた。その後も時々読んでいたがどうにも理解が進まなかった。最近代数幾何や代数解析の本を時々読んでいるが、その後に読んでみると、まさに圏論やコホモ…

数学の学習

最近思うこと。 子どもの頃、算数や数学を学んで、なかなか難しくて苦労するのだが、学年が上がって数年前に習ったことを見ると非常に簡単で当たり前のように思える、というのが不思議だった。他の教科でもこういうことはあるかと思うが、特に算数・数学にお…

可変思考

フィールズ賞数学者、広中先生の本。参考になった点 複雑なものは、単純なものが落とす影だ複雑な事象から要素を切り落として単純化するのではなく、逆に付け加えることで単純化できること。引いてもだめなら足してみよう。著者の特異点解消定理に基づいた有…

運命を変えた大数学者のドアノック: プリンストンの奇跡

すごくおもしろい本だった。 著者はカルフォルニア州立工芸大学名誉教授の加藤五郎先生。著者の数学を中心としたアメリカ生活が描かれているが、出てくる数学者がドリーニュ(本ではドゥリングと記載)、ヴェイユなど超一流数学者たちで凄い。アインシュタイ…

この定理が美しい

”サリバンの遊走領域非存在定理”、”ハッセの定理”等興味深かった。 印象に残ったのは、石井先生が書かれていたガロア理論の箇所。学部の頃にガロア理論を勉強して、うまくいっていることのありがたみがわからなかった、とのこと。ガロア理論の美しさ、ありが…

ユークリッドの窓

テーマは幾何学。ユークリッドからガウス、アインシュタイン、そして最先端のウィッテンの世界へ。幾何学的な内容もさることながらこれら天才たちのエピソード的なネタがとても楽しかった。 例えば、シュレーディンガーは物理学会のドンファンで、「私と一夜…

複素代数幾何学入門

学生の頃読んだときは何をやろうとしているのかさっぱりわからない本だったが、小木曽先生の”代数曲線論”をある程度読んだ後に見ているとイメージが湧いてきた。層の説明ののちリーマン・ロッホの定理など代数曲線論を展開していくあたり、小木曽先生の本と…

探究する精神 職業としての基礎科学

大栗先生の本はいつも内容が濃くはずれがなく、買ってよかったと思う。本書もすごく良かった。 本書では大栗先生の少年時代から大学、研究者としての自伝的な内容が記載されている。物理学者として世界的に大活躍されている大栗先生。どのような人生を歩んだ…

数学の学習法

大学・大学院レベルの数学は難しい。私は大学院まで数学を専攻し卒業後は趣味で勉強しているが、数学書の読み方はいろいろあり、それらを組み合わせて勉強していくのが良いと最近思う。 さっと斜め読みをして概要をつかむ 行間を埋めながらじっくりと読む 書…

もうひと押しができない! やさしすぎる人のための心理術

著者は東大医学部卒の精神科医。軽いタッチで恋愛や仕事など様々なケースで使える心理学テクニックを紹介。 一番印象に残っているのが基本的だが”ハンドルネーム”、要所要所で相手の名前を呼び掛けることで相手の心をつかむ。これすごく基本的なことだが、私…

中学受検

都立中学の受検に関して思ったこと。 都立中学の受検では自ら考える力を求められる。このために重要なのは、過去問をやってパターンを覚える事ではなく、地頭を鍛えることが重要と考える。パターンを覚えれば似たような問題が出れば対応できるが、そうでない…

量子とはなんだろう

ものすごくわかりやすかった本だった。著者の説明がうまいことと、具体例が豊富であるからだろう。平易な解説ながら、内容は量子力学の基本的なところからファインマン経路積分やベルの不等式、量子コンピュータまで非常に豊富。 ところでp.168の作用汎関数…

家庭学習

現在、都立中1年の長男が小学校低学年のとき、家庭学習としては主にこれをやらせていた。私が休みの土日のみ、20-30分くらいの非常にのんびりペースで... 長男は本が好きで、国語は大丈夫かと思っていたので、主に算数を教えていた。この問題集は良問が多く…

学びのスタイル

昨日は本屋でいろいろ本を見ていた。そこでちょっと思ったこと。 英語コーナーを見ていた。学生時代からよく英語の本を買った。ちゃんと勉強したのもあれば、積読になっているものも多数。しかし今日は、全く買う気にならないことに気が付いた。 理由は、昨…

数学の勉強

私は1990年前後に数学科の学生で数学を勉強していた。そして難解な数学書を前になかなか理解が進まず非常に苦労した思い出がある。 そして数学とは関係ない仕事に進みしばらく数学を離れていたが、インターネット時代となりAmazonで読みやすい本が簡単に手に…

研究するって面白い!――科学者になった11人の物語

科学者になった女性達の物語。小さいころから科学少女で、といった人は少なく、どちらかというと紆余曲折して科学者になった人が多いという印象。科学者になれる人は一握りで、才能も有りますが自分にあった分野や先生に巡り合えるかといった運もあるんだろ…