記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

現代数学の流れ2

 

リーマン予想と20世紀の代数幾何学”という章がすごく良かった。数論と幾何学が結びついていくというのが非常によくわかる。またグロタンディクが代数幾何学の大変革としてやろうとしていたことのモチベーションが数論に適用できる幾何学の建設であったことがよくわかる。 他には”整数を「素数全体の空間の上の正則関数」のように感じる”など数の世界と関数の世界の類似がおもしろい。

 

私は学生の頃はグロタンディクは驚異的な数学者として認知しており数千ページある代数幾何の本を書いている恐ろしい数学者という印象しかなかった。またそうした印象もあり代数幾何は恐ろしい分野と敬遠していた。こうした本を当時読むことができれば、もっと代数幾何に興味を持っただろうなと思う。そうした意味で、つくづく数学を学ぶときは教科書だけではなく、その背景などが書かれたこういう本を読んで全体イメージをつかむとともに、”知りたい”というモチベーションを高めることが重要だと思う。