記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

本-数学

リーマン予想とはなにか

まだざっと読んだだけだが、面白い本でした。今まで読んだリーマン予想の本の中で一番判りやすい気がします。 複素関数論の基礎から解説しているので、複素関数論の入門としても良いのではないでしょうか。リーマンは複素関数論で出てくるコーシーの積分定理…

曲線とソリトン

ソリトンと曲線の微分幾何の入門書という珍しい本。一見あまり関係なさそうだが、このあたり、可積分幾何、と呼ばれる分野であるそうである。少ない予備知識でこれらの分野を解説している良い本だと思います。 ソリトンと曲線、どんな関係なんだろう、と思っ…

無理数の話

良い本でした。 無理数や超越数をテーマとした本。連分数が好きな方にもお勧め。 数学の一般向け単行本ではありながら結構証明も書いてあり、ちゃんと仕組みを知りたい人にも満足できる内容ではないでしょうか。 ”有理数近似の良さ”といった点で無理数を特長…

超越数とはなにか

ざっと読んだ。というか、最初のうちは真面目に読んでいたのだが、書きっぷりが淡々としすぎていて流し読みになってしまった。ブルーバックスにしては異色の数式が多い本である。 超越数には興味があり時々この手の本を読むのだが、どうも証明がいまいち面白…

素数が奏でる物語

数論の魅力がわかりやすくコンパクトにまとまっている良い本だった。代数的整数論だけでなく解析数論にも触れられている点がおもしろい。 数論の本でよく紹介されている平方剰余の相互法則。具体例での説明がわかりやすい。 特に、平方和定理が連分数と関連…

コホモロジー

コホモロジー(2002/07)安藤 哲哉商品詳細を見る 良い本だった。現代数学で基本的な道具となるコホモロジーの解説。千葉大学で開催された公開講座がもとにしたとのことで、細かい証明は省いてコホモロジーの概説をわかりやすく述べている。話題はド・ラーム・…

アホでも数学者になれる法

アホでも数学者になれる法―大人のための数学教室(2007/12)足立 幸信商品詳細を見る 良い本だった。 著者は京大を出た後会社勤め後、再び数学を志し、現在阪大等で非常勤講師を勤めている方。 著者なりの数学の研究のしかた、進め方が書いてある。研究ノート…

ガロア理論の頂を踏む

ガロア理論の頂を踏む (BERET SCIENCE)(2013/08/22)石井 俊全商品詳細を見る 例題豊富でわかりやすい本である。分厚いが、其の分丁寧であり、ガロア理論の入門書としては一番わかりやすいのではないかと思う。 中島匠一 先生の「代数方程式とガロア理論」が…

数学は世界をこう見る

数学は世界をこう見る (PHP新書)(2014/05/16)小島 寛之商品詳細を見る 小島先生の本はいいですね。難しい数学をわかりやすく解説してくれます。 本書で解説されているのは、トポロジー、ガロア理論、代数幾何学(スキーム理論)などのエッセンス。こうした話…

虚数の情緒

虚数の情緒―中学生からの全方位独学法(2000/03)吉田 武商品詳細を見る 素晴らしい本である。”虚数”をテーマに数学、物理に留まらず歴史、教育など幅広いテーマについて書かれている類稀な本。難点は1000ページと分厚いため持ち歩き困難なこと。是非分けて分…

数論への招待

数論への招待 (シュプリンガー数学クラブ)(2012/11/27)加藤 和也商品詳細を見る 楽しい本でした。加藤先生のファンになりました。こんな本を大学時代に読んでいたらもっと数論に興味を持っただろうな、と思います。数式も多いので電車の中の立ち読みで式を追…

行列と変換群

キーポイント行列と変換群 (理工系数学のキーポイント (8))(1996/11/25)梁 成吉商品詳細を見る 地味なタイトルの本だが、表現論やリー代数の入門書としてとても良い本だと思う。2次、3次の行列の具体例が多く、手を動かしながら読むと力がつく本だと思いま…

幾何学概論

幾何学概論 (1976年) (共立数学講座〈9〉)(1976)石原 繁商品詳細を見る 淡々とした地味な本だが、なかなか良い本だと思う。曲線と曲面の微分幾何からリーマン幾何の基礎的な内容まで、豊富な例とともに書かれている。こういう本をじっくり手を動かしながら読…

今日から使える複素関数

今日から使える複素関数 (今日から使えるシリーズ)(2008/11/28)飽本 一裕商品詳細を見る 楽しい本です。 著者は帝京大学教授でプラズマ理工学などを専門とする方。”自身、高校までは学校の勉強が嫌いだったので、勉強嫌いの学生たちに学問の面白さを伝えるこ…

曲面の幾何構造とモジュライ

曲面の幾何構造とモジュライ(1997/07)河野 俊丈商品詳細を見る 恐らく10年以上前に買った本、ちょっと読んで積読だったが、読み始めた。まだ読んでる途中だが、やはりこの本はおもしろい。双曲幾何やモジュライ空間といったところがテーマ。数学セミナーに…

函数論―リーマン面と等角写

函数論―リーマン面と等角写像(2011/11/20)楠 幸男商品詳細を見る リーマン面に関して詳しくかつわかりやすい、正に名著。複素解析をある程度勉強した人なら普通に読めると思います。リーマン面に関してはまとまった本が数少ない。本書は最近復刊したそうだが…

曲面上の関数論―リーマン‐ロッホの定理へのいざない

曲面上の関数論―リーマン‐ロッホの定理へのいざない樋口 禎一 山崎 晴司 田代 俶章 渡辺 公夫 森北出版 1997-03売り上げランキング : 829287Amazonで詳しく見る by G-Tools おもしろそうな本だが、ネットでほとんど書評が見つからないのが若干怖いと思いつつ…

数学の勉強法

私は大学・大学院で数学を専攻しました。そして今は趣味で数学を勉強しています。しかし大学で習う現代数学、素晴らしいものであるのですが、鬼のように難しい。高校までの数学に比べ難しさが加速度的にあがっていく。今もそうですが、大学時代、苦労しました…

黄金分割

黄金分割―自然と数理と芸術と(2005/03)アルプレヒト ボイテルスパッヒャー、ベルンハルト ペトリ 他商品詳細を見る 著者のボイテルスパッヒャーさんは大学教授で、現代ドイツの数学啓蒙家の第一人者の方とのこと。ドイツに数学博物館を創設しているそうです。…

この数学書がおもしろい

この数学書がおもしろい(2006/03)数学書房編集部商品詳細を見る 一流数学者達(他物理学者、経済学者なども含む)による数学書のガイド。数学者達がどんな思いで本を読んできたかがわかり参考になります。共感したのは京大の梅田亨先生が書いていた読み方の…

怠け数学者の記

怠け数学者の記 (岩波現代文庫)小平 邦彦 岩波書店 2000-08-17売り上げランキング : 41505Amazonで詳しく見る by G-Tools 数学を理解するということは、その数学的現象を「見る」ことである。「見る」というのは勿論目で見るのとは異なるが、ある種の感覚に…

代数曲線のはなし―現代数学への一つのアプローチ

代数曲線のはなし―現代数学への一つのアプローチ山田 浩 日本評論社 1981-10売り上げランキング : 817918Amazonで詳しく見る by G-Tools これは読みやすく楽しい本でした。円錐曲線の話から射影幾何、接線と特異点、そして代数幾何学への入り口へ、高校程度…

代数方程式とガロア理論

代数方程式とガロア理論 (共立叢書 現代数学の潮流)中島 匠一 共立出版 2006-07売り上げランキング : 104852Amazonで詳しく見る by G-Tools これはわかりやすい本だった。今まで読んだガロア理論の本の中で一番わかりやすい。ガロア理論は”数学ガール”とかい…

フェルマーの最終定理

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)(2006/05)サイモン シン商品詳細を見る ワイルズ教授が1990年代にフェルマーの最終定理の証明を発表するまでのドキュメンタリー。臨場感があり楽しい本です。フェルマーの最終定理は一見簡単そうにも見えるが、3世紀にもわ…

連分数のふしぎ

連分数のふしぎ (ブルーバックス)(2012/05/22)木村 俊一商品詳細を見る これはおもしろい本ですね。 著者の木村さんは広島大学教授、専門は代数幾何の数学者。連分数は代数幾何の話題ではありませんが、著者は連分数が大好物とのことです。 私は学生時代、連…

複素解析の神秘性―複素数で素数定理を証明しよう!

複素解析の神秘性―複素数で素数定理を証明しよう!(2011/10)吉田 信夫商品詳細を見る 最近は数学関係のおもしろそうな本がいろいろ出てますね。読む時間がなかなかないのが悩みです。 著者は研伸館という学習塾の先生。阪大数学科修士卒。高校数学程度を前提…

もう一つの函数論入門―複素数の行動分析の基礎

もう一つの函数論入門―複素数の行動分析の基礎(2002/02)谷口 雅彦商品詳細を見る 複素力学系の入門を複素関数論の基礎とともに解説する本。大学初年時の学生でも読める本にしたとのことです。確かにちゃんと手を動かしながら読めば読めそうです。 最近なぜか…

ソリトンがひらく新しい数学

ソリトンがひらく新しい数学 (岩波科学ライブラリー (4)) 早稲田大学教授、上野 喜三雄先生によるソリトン理論の紹介。 ソリトンとは粒子のように振る舞う波で、KdV方程式等の波動方程式の解として導かれる。ソリトンの数理的研究が活発に行われた1970年代末…

13歳の娘に語る ガロアの数学

13歳の娘に語る ガロアの数学(2011/07/29)金 重明商品詳細を見る またまた楽しい本を見つけました。 著者の金さんは歴史小説家。文学部出身だがガロア理論に興味を持ち40代で「代数学」という本を読み挑戦。なんとか理解でき、理解できるとそのすばらしさ…

暗算の達人

暗算の達人(2007/02/28)アーサー・ベンジャミン、マイケル・シェルマー 他商品詳細を見る 大学教授にしてマジシャン、暗算の達人でもあるアーサー・ベンジャミン氏による暗算の本。 暗算というと細かいテクニックの羅列みないな本が多い一方、これは比較的体…