ワイルズ教授が1990年代に
フェルマーの最終定理の証明を発表するまでのドキュメンタリー。臨場感があり楽しい本です。
フェルマーの最終定理は一見簡単そうにも見えるが、3世紀にもわたって未解決とされてきた難問中の難問。
ワイルズ教授は少年時代よりこの問題に惹かれてきたそうです。この
フェルマーの最終定理には志村五郎、岩澤健吉などの日本人数学者の貢献もあり、本書でも大きくとりあげられています。既に、”谷山=志村予想”が解ければ
フェルマー予想が解けることが示されており、
ワイルズはこの”谷山=志村予想”を解くことで
フェルマー予想を解いたそうです。日本の数学のレベルの高さを感じ、日本人として誇りを感じます。
それにしても
ワイルズの7年にもわたる本問題への集中、二百ページに渡る証明、そして同僚数学者との共同での念入りな証明確認にも関わらず発覚したミス、それの修正のための数年...凄い世界ですね。一見簡単そうに見える定理の証明が、最先端の数学を駆使して数百ページにも渡る証明が必要、というのが数学のおもしろいところだと思います。