これは読みやすく楽しい本でした。円錐曲線の話から射影幾何、接線と
特異点、そして
代数幾何学への入り口へ、高校程度の数学の知識を仮定してやさしく解説しています。射影空間において無限円直線を考えたり
複素数の領域で考えることで理論が非常に見通しがよくなる、というのがおもしろいですね。
最終章の”
代数幾何学の入り口”では、
特異点を持たない三次曲線が楕円関数を用いたパラメータ表示によりトーラスとみなすことができる、といった内容が解説されます。このあたりからリーマンなどによる代数関数論の研究に繋がるようですね。このあたりが”
代数幾何学の夜明け前”にさしかかったあたりだそうです。このあたり、19世紀の古典的な内容のようですが、代数、解析、幾何が交錯する非常に美しい分野だと思います。勉強していきたいと思います。