記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

代数曲線のはなし―現代数学への一つのアプローチ

代数曲線のはなし―現代数学への一つのアプローチ
代数曲線のはなし―現代数学への一つのアプローチ山田 浩

日本評論社 1981-10
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これは読みやすく楽しい本でした。円錐曲線の話から射影幾何、接線と特異点、そして代数幾何学への入り口へ、高校程度の数学の知識を仮定してやさしく解説しています。射影空間において無限円直線を考えたり複素数の領域で考えることで理論が非常に見通しがよくなる、というのがおもしろいですね。 最終章の”代数幾何学の入り口”では、特異点を持たない三次曲線が楕円関数を用いたパラメータ表示によりトーラスとみなすことができる、といった内容が解説されます。このあたりからリーマンなどによる代数関数論の研究に繋がるようですね。このあたりが”代数幾何学の夜明け前”にさしかかったあたりだそうです。このあたり、19世紀の古典的な内容のようですが、代数、解析、幾何が交錯する非常に美しい分野だと思います。勉強していきたいと思います。