良い本だった。
著者は京大を出た後会社勤め後、再び数学を志し、現在阪大等で非常勤講師を勤めている方。
著者なりの数学の研究のしかた、進め方が書いてある。研究ノートをつくり、毎日書いていく。頭に浮かんだ成り立ちそうな命題を書いていき、成り立つか○×をつけていく、...問題はむやめに解こうとしないで、問題の周りでうろうろして自然に問題が解けるのを待つ...等々。読んでいると数学の研究がしたくなってくる本です。
私も大学院の頃は数学の研究をしていましたが、数学の研究の仕方についてこのような本を読んだことはなく自己流でやっていましたが、こういう本を読んでいたらもっと楽しく数学に取り組めただろうな、と思います。
著者のライフスタイルも紹介されています。朝早くおきて
クラシック音楽などを聴きながら数学に没頭する。収入は少ないが精神的に豊かなストレスの少ない生活を送っている。楽しそうです。ストレスフルな毎日を送っている私からすると非常にうらやましいです。
数学というのは趣味としてもいいものでしょうね。やっていると何故だか気持ちがすっきりしてくる。他の学問にはない独特な特長だと思います。
哲学書などを読んでいると疲れてくる。物理も数学に似てはいるが、根本的な深いところにいくとはっきりしなく仮説が多くなりなんだかもやもやしてくる。数学って本当にいいものだと思います。