著者は代数幾何を専門とする元東大教授。リーマン面に関して複素解析の基礎的なところからヤコビ多様体、アーベル多様体といった高度な内容まで。途中からついていけなくなりましたが、雰囲気はわかり良かったです。小木曽先生の代数曲線論を参考にしたとのことで似ているところはありますが、本書の方が高度な話題まで扱っています。
リーマン・ロッホの定理も当然ながら出てきますが、本書では楕円型作用素のフレドホルム性を使ってコホモロジーの有限時限性を示すことで証明。ここがリーマン・ロッホの定理で本質的に難しいところなんでしょうね。小木曽先生の本でも証明が長かったところです。