記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

20世紀の神秘思想家たち―アイデンティティの探求

20世紀の神秘思想家たち―アイデンティティの探求 (Mind books)20世紀の神秘思想家たち―アイデンティティの探求 (Mind books)
(1984/01)
アン・バンクロフト

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クリシュナムルティラマナ・マハリシグルジェフ、シュタイナー、トゥルンパ、といった有名どころから、A・ハクスレー、アラン・ワッツ等9人の神秘思想家が紹介されています。副題にアイデンティティの探求とあるように、単に神秘思想家を集めたと言うよりは、自我からの解放を訴えている方たちが多いです。著者はこうした方面で見識が深いようで、単なる紹介に留まらず見識深い解説があり、良書です。 印象的な個所。
  1. A・ハクスレーは非常に社交的な人だった。あるハクスレー夫妻主催のピクニックでは、クリシュナムルティグレタ・ガルボチャップリン、他著名人が集まった。
  2. 「なんてすてきな朝なんだ」とか「実にいやな日だ」と思ったとたん、頭脳の活動が始まってしまう。だが、ただ眺め、窓の外を見るときに自分に一言も吐かず-これは言葉を抑圧するという意味ではない-脳の活動が始まる前にただ観察すれば、そこに手掛かりが在る。鍵があるのだ(クリシュナムルティ)。
  3. 思考者が自己確認や評価や判断を止めれば、そこには中心のない思考のみが存在する(クリシュナムルティ)。
  4. あらゆる瞬間に人は「私」といって考えたりしている。だが、その「私」は毎回異なっている。いましあたひとつの思考であった「私」が、いまは欲望、つぎには感覚、そしてまた別の思考に変わり、果てしなく続いていく...。その数は無限だ(グルジェフ)。