記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

21世紀の新しい数学 ~絶対数学、リーマン予想、そしてこれからの数学

21世紀の新しい数学 ~絶対数学、リーマン予想、そしてこれからの数学~ (知の扉)21世紀の新しい数学 ~絶対数学、リーマン予想、そしてこれからの数学~ (知の扉)
(2013/07/23)
黒川 信重、小島 寛之 他

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東工大の黒川先生と、小島先生の対話。テーマは最近話題のabc予想やF1(1と0からなる代数系)の数学、リーマン予想といったところだろうか。abc予想リーマン予想に加え、コホモロジーやスキーム理論に関するわかりやすい解説があり良かった。例えばコホモロジーでは、”コホモロジー群は「関数のつなぎ合わせができるかどうか」を測る”とのこと。そうそう、各種数学の概念に関してこういうわかりやすい、”要は..."といった説明が欲しいのです。数学の副読本としてよい本だと思います。敷居の高いスキーム理論もこうした解説があると興味をそそられます。 テーマとなる数論の最新の話題に関しては、なんだかもうついていけない世界だな、と思ってしまいました。最近の数論の発展というのも著しいようで、学生の方が最先端まで追いつくのは大変でしょうね。10という整数をスキーム論的に関数とみなして微分する、というのは面白いですね。 余談ですが、最近NHKでやっていたオックスフォード白熱教室のデュ・ソートイ教授の講義を見ていたら、デュ・ソートイ教授が黒川先生の話をして黒川先生と一緒に写っている写真が出ていました。改めて世界的に有名な方なんだと再認識。