記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

養老孟司の幸福論

* 最近ある本を読みました。これは、企業の経営者によって書かれたものでしたが、読みながら、もう10年以上も前に読んだ「14歳の私が書いた遺書」という本のことを思い出しました。二冊の本は、その世界がよく似ていると感じたのです。

* これらの世界には、虫がいません。...つまり、自然の描写がないのです。...私たち自身の体だって、自然であるわけです。

* ところが、この2冊の本は、人間関係、つまり人事に尽きていて、自然、ぼくが言うところの「花鳥風月の世界」がない。

* どちらかの世界で何か大きなマイナスが起こった時、もう一つの世界に駆け込めたら、そのマイナスをしのぎきれるかもしれません。

P.34より

養老先生の本はいつもさらりとしているが示唆に富んだ言葉がある。この言葉も共感した。

会社や学校などが原因で自殺する人は、その1つの世界で追い込まれてしまう。しかし、会社や学校などというのは世界の一部でしかない。が、追い込まれるとそれが世界のすべてであるかのように見えてきてしまう。が、人間は生物であり、本来は養老先生のいう「花鳥風月の世界」のほうが重要だろう。こうした自然と切り離されることでねじ曲がった人事の世界で追い込まれてしまうんだろう、と思いました。