子供が、どんな考え方をするようになり、どんな人間に育っていくのか-最大のファクターは環境だと言っていいでしょう。...環境のうち、最も大きいのが親の存在です。...子供が親の元にある二十年ほどの期間に、たいていの親は子供の進む道を指し示しているのではないでしょうか。大学進学時に、将来を見越して自ら進路を選択しているように当人は感じていても、実際には、育った環境や、親の助言が大きく影響しているはずです。
24の提言についてはそんなに参考になるものはなかったが、「私を支えた父の言葉」の章が良かった。著者の父は高校の数学教師だが、こうした
はやぶさプロジェクトを支える意志に関しても、父の教えが基礎になっているとのこと。素晴らしいですね。家庭教育の大切さを改めて感じるとともに、川口さんの父を大切にしている思いが伝わってきて、温かい気持ちになりました。
ノーベル賞の益川さんや
ファインマンの本を読んだ時にも思いましたが、成功した方でこうした家庭での父の影響が原点だという方、多いですね。共通していえるのは、父は科学者ではなく、科学の深い知識を持っているわけではないが、科学に非常に興味を持って子供にあれこれ話しかけていること。親の役割として一番重要なのは、教えたり、塾に通わせたり、といったことではなく、自身が科学に強い興味を持つことではないか、と感じました。そうした点でいうと実は、親は科学者であるよりは、科学の世界に憧れつつも科学者になれなかったような人のほうが科学の世界に対する憧れを子供に伝えやすいのかもしれませんね。
巨人の星に通じるものがありそうです。実際に科学者になってしまった人だと予算だとか金に絡むどろどろの現実を見てしまって情熱が失せるといったこともありそうです。