記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

はじめての課長の教科書

はじめての課長の教科書はじめての課長の教科書
(2008/02/13)
酒井穣

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マネージャ、マネージメントに関する本は多々あるが、珍しい日本的な課長に関する本。 著者は商社勤務後、オランダの精密機械メーカーに転職し、ベンチャー企業を創設。外国で働いている著者は、欧米でいうマネージャと日本の課長とは違うのではないか、という思いがあり本書を執筆したとのこと。 参考になる点がいろいろありました。
  • 価値観の通訳としての課長  部長と末端の新入社員とは親子ほどの年齢差があるもので、その価値感の違いたるや想像を絶するほどです。  課長は世代間で異なる価値観がぶつかる場所に位置しているポジションであり、そうした異なる価値観をそれぞれに理解するばかりでなく、異なる価値観の通訳であることが期待されています。
  • 課長は情報伝達のキーパーソン  末端社員が現場で入手したホカホカの情報は、上司への報告と言う形で経営者まで伝わります。その情報伝達のキーパーソンとなるのが課長です。  現場情報と経営情報はビジネスにおける情報の要です。課長のところで経営情報と現場情報は交錯し、社内の情報は課長に向かって集まり、課長は現場情報と経営情報をバランスよく持っている。
  • 中間管理職はナレッジ・エンジニア  中間管理職は、現場から「重要な現場情報」を引き上げ、それを「経営者が描いた大きなビジョン」をつなぐために知恵を絞る「ミドル・アップダウン」な活動をするのです。  中間管理職の重要性にいち早く気付き、それを「ミドル・アップダウン」という革命的なコンセプトにまとめあげたのが、イノベーションの権威、一橋大学野中郁次郎教授。
これは私も日頃なんとなく重要性を感じていたポイントです。それがこうして明文化されてすっきりしました。 中間管理職は上と下の通訳だとつくづく思います。決して現場の重要な情報を握りつぶすようなことがあってはならないですね。こういうの、あまりマネージメント論では出てこないポイントです。 そしてついでに、これも参考になりました。
  • 本の読み方の秘訣  読んでいて、特にこれは大切だと印象に残るような記述に出会ったときは、思い切ってそのページの角を三角に折ってしまうのです。
私も本を読んでいて、重要だと思っても後になってどこだったか探すのに苦労することがよくあります。線を引こうにも、ペンを持っていないこともよくあります。これはNice Tipsですね。早速本書を折りまくりました。