著者は東大で物理の博士号を取った後、非常勤講師などをしながら本を書いている方。科学哲学や
科学史などで研究をしているそうである。本書は物理の専門知識のない人向けに量子場理論をわかりやすく解説することを試みたとのこと。
量子力学から場の
量子論、そして
標準模型、
超弦理論まで、歴史的経緯を細かく交え解説しています。著者は
科学史が専門のようなので、歴史的経緯は十八番なんでしょうね。
量子力学史としてはおもしろかったのですが、肝心の場の
量子論は難しくてなんだかよくわかりませんでした。あと、縦書きの文書に混じった数式は読みにくい!縦書きで書いて欲しかった。しかしながら、量子
場の理論では、"世界の見え方は、空虚な空間内部を原子が運動するという19世紀的なものとは全く異なってくる”そうで、もっと知りたい、と非常に興味を持ちました。勉強していきたいものです。
”現在でも、一般の人は、19世紀的な原子論とそれほど変わらない世界像を持っているだろう”とのことですが、そのとおりでしょうね。私もそうです。さすがに電子などがボールのような単純な粒子のようなものとは思っていませんが、それでも空間の中になにかがある、というイメージを持っています。しかしながら、量子
場の理論では、”空虚な空間すら前提としてない”そうです。量子場が空間的な広がりも作り出すそうです。なんだかよくわかりませんが、おもしろそうです。こういう興味を喚起する副読本、重要ですね。