石原慎太郎さんと法華経という意外な組み合わせに惹かれ読んでみました。石原さん、法華経、ともに興味がありますが、この組み合わせは意外でした。
石原さんはかなり昔から熱心に法華経を読んだり唱えたりしていたそうですね。そのきっかけは「霊友会」の小谷喜美教主さんとの出会いなどが大きいようです。そして様々な不思議な経験を経ることで宗教的な思いが深まっていったようです。このあたりポイントだなと思いました。理屈を聞いただけでは納得がいかない宗教でも実際に神秘体験を味わうと信じるようになっていくのでしょうね。宗教というのはロジックでは処理できない世界なのだと思います。
法華経は興味があって本を何冊も読んだが、つかみどころがなくて何だかよくわからない。これは本書も同じでした。「十如是」という言葉は印象に残ったが、結局よくわかりませんでした。
ただ、石原さんが家族やご先祖といったものをとても大切にしていることはよくわかりました。このあたり、非常に共感し、良い本だと思いました。「自分の血のつながる過去にも未来にも満ち満ちた無数の先祖、子孫という仲間と無数に強い連帯のもとに自分の人生を切り開き、かつまた彼らの過去と未来の人生を自分も一緒に切り開いていく作業は、いつもはるかにやさしく、楽しく、雄々しく、期待に満ち満ちたものだと思います。」といったあたりが非常に心に残りました。人生はいろいろと大変なことがありますが、自分は一人で戦ってるのではない、自分には無数の先祖がついているんだ、という思いは心強いものですね。何だか非常に共感し、私も亡き祖父や祖母が見守ってくれているような気がしてきて、温かい気持ちになりました。