この手の本を最近よく読んでいますが、似たようなタイトルの本が多く、ちゃんと記録していないと間違えて同じ本を買ってしまいそうです(笑)。実際
ブルーバックスの同じ本を二度買ってしまったことあります...そんなこともあって少しでもなるべく読書記録を残すようにしています。
著者は「インフレーション理論」などを提供した
宇宙論などを専門とする東大教授の
佐藤勝彦さん。インフレーション理論とは著者とアラン・グース氏が提唱した、宇宙誕生直後(ビッグバンの前)にに起きた急速な膨張だそうです。著者が
宇宙論の研究を始めた当時は
宇宙論と
素粒子物理学にはあまり接点がなかったそうですが、著者は益川さんの「
ワインバーグ-サラム理論を使えばいいんじゃないの?」といったアド
バイスなどから
素粒子物理学を適用するようになったそうです。
本書の主題となる「
マルチバース」。
超弦理論などではカラビ=ヤオ空間に多数の膜宇宙がつながっている世界観を提唱しているそうで、その多様な宇宙の可能性は10の200乗あるとのこと。壮大な世界観ですね。著者はここから仏教の「三千大千世界」という世界観を想起します。昔からよく仏教と物理学の類似性はよく指摘されていますが、こんな最先端の理論でもまた類似性が出てくるのですね。仏教というのは不思議な宗教です。
それにしても
宇宙論の世界ではこんな壮大な議論が行われているのですね。非常に興味を持ちました。少しでも理解に向けて近づいていきたいところです。しかしながら、カラビ=ヤオ空間といった言葉
からしてわからない。先は長そうです。
Wikipediaを見ると、カラビ=ヤオ
多様体とは、”どこでもゼロにならない正則 n-形式が存在する”などの条件を満たすコンパクトな n-次元ケーラー
多様体だそうです。1次元の
楕円曲線などの高次元版だそうで、こういわれると多少イメージが沸きます。ケーラー
多様体なども勉強していきたいところです。