記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

三田誠広の法華経入門

 

三田誠広さんの文章は読みやすくて好きだ。その三田さんが書いた法華経の本。法華経日蓮宮沢賢治を初め多くの人を魅了してきたお経、たぶんすごいんだろう、と思って昔から興味を持ち本など読んできたが、なんだかとらえどころがなくよくわからないので読んでみた。が、やはりよくわからなかった....。

 

法華経は映画のようにめくるめく素晴らしいものだ、とのこと。この点は三田さんも、「私は法華経を文学作品だととらえています」といっており、宗教書だと思って読んでしまうとあれ?、と思ってしまうのかもしれません。

 

とにかく法華経は、「法華経はすごい」といったことを延々と主張するお経という印象。其の中で肝と思われるところとして、三田さんは「釈迦が死んだように見えるのは方便であり(方便の死)、実は仏陀は永遠の存在である」という真実を明かすところだ、といっているように思いました。ここで頭が??。仏陀の神格化、というか、教祖をやたらと特別な存在、永遠な存在にしたがるのは宗教によくある傾向だと思いますが、そこがすごい、というのはなんだかよくわからない。仏教は、何だかよくわからない神様を崇拝する低レベルな宗教と違い、人間として悟りを開いた釈迦が説いた教えだから価値があるように思っているのですが、逆にレベルが下がったことを言っているように思えてしまう。

 

いつも法華経関係の本を読むと結局消化不良感が残るのだが、本書を読んでも同じだった。そのため、法華経関係の解説記事をいろいろ読んでみたが、下記のサイトでいっていることがわかりやすく共感した。

法華経の大奇跡。信じる者は救われる?

法華経の最奥真理はただ一つ。

この経を信じる者は救われるということである。

1点の疑いも持たずとにかく信じなさい。

そうすればとんでもない奇跡的な救いが訪れるというものである。

まさにカルトそのものである。

で、その経の内容とは、どんな教えなのかというと、

法華経には何も書いてないのである。

とにかく信じなさい。

この経を受持しなさい。

それだけである。

三田さんの解説より、私はこの方の言っていることのほうがわかりやすい。とにかく信じなさい、そうすれば功徳がある、そんなことを言っている経典なんだろう。仏教に哲学的な教えを求める人が読むと、あれ?、となってしまうのかもしれないが、”とにかく信じなさい、そうすれば救われる”というのはあまり仏教的ではないが、ある意味他の宗教ではよく多いことであり、多くの人に求められている内容なんだろうな、と思いました。