こころの情報学 (ちくま新書) (1999/06) 西垣 通 商品詳細を見る |
- 工学における情報とは、「(複数の場合において)どれが起きたかを教えてくれるもの」。つまり、工学における情報とは「意味内容」を無視した機械的なもの。各場合の生起確率にもとづいて情報量が定められる。したがって、我々が漫然とイメージを持っている非機械的な情報量、すなわち「意味内容の量」とはまったく別次元にあり、無関係といってもよい量である。(P.21)
- 情報は生命とともに誕生した。生命発生以前に自然界が作っていたパターンは情報とは関係ない。(P.28)
- 情報の定義 「それによって生物がパターンを作り出すパターン」 P.32
- コンピュータに文脈や情報を判断させようとすると「フレーム問題」に突き当たる。ひとは有る状況のもとで自然に問題を構成する。今問題となっている、注目すべきことはな何なのかを一瞬にして選び取りそして行動を起こすということでその問題がいかにして解決させるかを直感的にすばやく判断する。しかしコンピュータにはこれができない。P.68
- ハイデッガーによればわれわれの周囲にある事物は普通は背景の中に埋没している「道具的存在」にすぎない。客観的に性質を記述できる「事物的存在」となるのは何か特別なきっかけがあった場合だけということになる。...コンピュータの言語理解に於いては、原理的には宇宙のすべての事物が「事物的存在」ということになる。コンピュータの言語理解に於いてはハイデッガーの主張によると、人の世界解釈とは根本的に異なるということになる。P.73