記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

脳はここまで解明された

脳はここまで解明された―内なる宇宙の神秘に挑む (ウェッジ選書)脳はここまで解明された―内なる宇宙の神秘に挑む (ウェッジ選書)
(2004/02)
合原 一幸

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本書は「地球学の世紀」というフォーラムにおける「地球システムと脳」とうテーマの議論が基になっている。著者は脳生理学者伊藤正男理化学研究所)、甘利俊一(理化学研究所)、合原一幸等の脳科学の権威たち。解説と対談といった形で読みやすい本です。伊藤正男さんは脳科学の世界的権威だそうです。 本書で印象的なのは伊藤正男さんによる脳の構造解説。脳は5階建ての建物(反射、複合運動、生得的行動、感覚運動機能、連合野)に、電気や水道などの4つのライフライン(小脳、大脳基底核大脳辺縁系、睡眠・覚醒)が通うイメージだそうです。わかりやすい例えですね。 本書は2004年の著作ですが、伊藤さんは脳に関して、簡単なところはわかるが、情動とか意思になると手が届かない、と述べています。最後に主観になるとどうしようもなくなるそうです。脳の研究はやはりまだまだなんですね。意識というのは定義するのも難しいそうですが、”どこかで自分自身のシステムをモニターする部分があって、そこが意識の座であるというのが素直なのだろう。”とのことです。