記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

対岸の彼女

対岸の彼女 (文春文庫)
対岸の彼女 (文春文庫)角田 光代

文藝春秋 2007-10
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テーマは、シングル女性と子持ち女性との溝・友情、そして女性独特の派閥をつくる人間関係、といったところだろうか。私は男なのであまり共感はしませんでしたが、女性にとっては大きなテーマなのだろうな、と思いました。本書では、シングル女性と子持ち女性との溝といったところですが、働く女性と主婦、にも男にはわからない微妙な対立があるような気がします(と、妻の言動などを聞いているとよく思います)。”女の世界”といったところだろうか。 角田さんは八日目の蝉でもそうでしたが、文章がうまく、リアリティーをかもしだすのでノンフィクションを読んでいるような感じがします。特に最初の、人間関係に器用でない主婦を描くところは非常にリアリティーがあり、つかみに引き込まれました。八日目の蝉もそうでしたが、つかみがうまいですね。角田さんは恋するように旅をしてなどの旅行記を読んでいるとお気楽なお姉さんという感じもしますが、実際はかなり繊細な方なのではないかと思いました(小説家なので当たり前か)。