「ドラマ”
名前をなくした女神たち”の原作」と
Amazonの書評などにあり読みましたが...どうやら原作ではないようですね。しかしながらそっくりなのにびっくり。ドラマ放映時にさんざん話題になっていたようですが、知りませんでした。ドラマの”
名前をなくした女神たち”というタイトルはうまいと思っていたのですが、本書の解説の中で”最終章の手前、主人公たちは名前を失くし”という記載がありました。これもパクリかよ!
東京の文教地区でのお受験をめぐる女のドロドロ劇。”文京区幼女殺人事件”がモチーフ。
対岸の彼女もそうでしたが、角田さんは女性の心理や確執を描くのがうまいですね。非常にリアリ
ティーがあります。ストーリーに引き込まれ最後まであっという間に読んでしまいました。
余談ですが、本書はやはりたくさんの女性にヒットしたようで、たくさんの方が感想をブログやらなにやらに書いてますね。共感をそそるようです。その中で、妻の愚痴を聞かない夫を批判する感想などがあり印象的でした。女性は不平・不満を誰かに聞いてもらいたい生き物なのですね。この点、男と全く特性が違う気がします。男は不平・不満をいっている暇があったら何か努力をしろ、もっと生産的なことをしろ、と考え女性の不平・不満を否定的に捕らえがちです。が、女性は不平・不満を口にすることでそれが軽減されるのでしょうね。本書の中で、妻があれこれ愚痴をいっているのを夫が真剣にきかず風呂に行ってしまうシーンがあり、それを非常に批判的に捉える感想などがあったのが印象的でした。逆に私は男の立場で、夫の気持ちを”わかる、わかる”と思ったシーンでした。というか、似たようなことをよくやっている気が...。
女性は人の悪口、陰口をたたくのが好きな人多いですよね。でも男はそういうの好きではなく不快感を感じます。なので私も妻の不平不満、人の悪口などが始まると聞くのが嫌で話をそらそうとしたりしますが...よろしくないのでしょうね。女性の友人同士の場合、こうした場合、”そうそう”とかいって、人の陰口、悪口などで大盛り上がり大会になりそうですが、男はこういうのできないですね。でも男と女は相当違う特性の生き物なので、女性の不平・不満・悪口にも男の論理で一刀両断するのではなく、耳を傾けていく必要があるんだろうな、と思いました。
なんというか、男世界の価値観からすると”不平・不満・悪口・陰口叩き”などは好ましくないことなのかもしれませんが、女性の価値観からすると意味深いことである。自分の価値観を絶対視するのではなく、世の中には様々な価値観を持った人がいて、それぞれの価値観を尊重して生きていかないと人間関係はうまくやっていけないのだろう、そんなことをつくづく感じました。でもまあ、世の中には自分の価値観を絶対視している人、多いですよね。でも”自分の常識が人の非常識”であることは非常に多いように思います。