記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

ファインマンさんの流儀―すべてを自分で創り出した天才の物理学人生

ファインマンの人生が詳しい物理学的解説とともに語られている本。昔読んだときは詳しすぎて途中で飽きてしまったが、今読むと量子電磁気学からクォークの理論など物理学の理論が作られていく歴史が生き生きと感じられ、物理学史としても良い本だと思う。

クォークで有名なゲルマンもファインマンに負けず劣らずのものすごい天才であることを知った。こうしたファインマンやゲルマン、ノイマンなど超人的な天才たちが集結して切磋琢磨しているアメリカという国は恐ろしいと改めて思った。そうした中、離れた日本にいてファインマンと同時にノーベル賞を受賞した朝永先生がいて、日本人も負けてない所が誇らしい。

 

ファインマンは男っぷりをどんどんあげて、もてたそうだ。Youtube動画をみると、すごく自信とエネルギーとユーモアに満ちた感じで本当にかっこいい。このような生き生きとした力強い目を持った人になりたいものである。人の生き様は目に出ると思う。

 

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昔10代の尾崎豊のライブ映像を見て、なんて力強い目を持った男なんだと惹きつけられた。全力で活きている男の目だと思った。残念ながら20代の尾崎豊にはこのパワーは感じられなかった。

 

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中学生の教科書―美への渇き

数学者 小林昭七先生のところが読みたくて購入。小林昭七先生のところはあまり印象に残らなかったが、ウィリアム・カリーさんの英語の所が良かった。苦労して外国語を学ぶ意味として、外国語を理解売れば詩・文学などに翻訳では味わえないすばらしさが味わえる、とのことでとても共感した。

 

私は海外のドラマ・映画などを視るのが好きだが、オリジナルの音声をそのまま理解できるのは心地いい。内容を理解するだけならば翻訳で十分かもしれないが、外国文化を生で感じるためには外国語の取得が重要で、自動翻訳が発達しても外国語を学ぶ意義はなくならないだろうと思う。

 

また、人の話を聞くとき、言葉で伝わる情報と、言外で伝わってくる情報がある。音声の調子、表情など。実は後者の情報が非常に重要で、同じ言葉でも話し方によって伝わってくるものは全く変わってくる。これは私はクリシュナムルティの講話などを聴いていてよく感じた。クリシュナムルティの講話は非常に力強く、彼の自分が発見したことを”伝えたい”という気持ちが非常に多伝わってくる。これは英語で講話を聴いているとダイレクトに伝わってくるが、翻訳を見ていてもなかなか伝わらないだろう。例えば以下の動画、"Fear is a extraordinally jewel, extraordinally something which has dominated human being for thousand years"といっているあたりなど非常に力強い。この動画は何度も見た。

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フォン・ノイマンの哲学

著者は哲学が専門の方。タイトルの”フォン・ノイマンの哲学”というタイトルほど哲学が語られているわけではなくノイマンの伝記という感じであったが、超人的な天才ノイマンの話で非常に興味深かった。以前からノイマンは興味があり概略は知っていたが、本書はとても詳しく良かった。ノイマンの睡眠時間は4時間だったとのことで、4時間睡眠であの驚異的なパフォーマンスを発揮しているのは驚き。ノイマンに限らずディラックチューリングシュレーディンガーアインシュタインゲーデルの逸話などもあり興味深かった。

 

続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう

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池田理代子さん、平田さん、大隅先生のパートが良かった。

 

池田理代子は成功した漫画家の地位を捨てて47歳で音楽家を目指し大学に入りなおしたことで有名だが、"私にとって一番怖い後悔は、あの時やろうと思えばできたのにどうしてやらなかったのかというものです。"というところに共感した。やって失敗したらしょうがないがそもそもやらなかったことは非常に引きずるものである。
 
もう一つ、平田オリザさんのところで印象に残ったホスピスの話。夫がガンにかかった妻の話。奥さんは看護婦さんに毎日薬の効用についてたずねる。これに対してベテランのお医者さんは、薬について一言も説明せず、「奥さん、辛いね」と声をかけた。それ以降奥さんが薬について尋ねることは無くなった。奥さんが聞きたかったのは、薬の効用ではなかった。
 
私は先日コロナにかかったのでこの部分非常に共感した。家族でコロナにかかり高熱の中病院に電話する。その際事務的なつっけんどんな対応をされて嫌な思いをしたことがある。その後電話した病院の方は非常によりそった感じの対応をしてくれてとても救われた気がした。患者は物理的な治療を求めているのはもちろんだが、弱り切った体の中こういう精神的なケアも求めているものである。
 
こうしたことは病気に限ったことではないと思う。例えば夫婦生活で妻がよく夫にぐちることは多いと思うが、その際は妻が求めているのはその問題に対する解決ではなく、共感、寄り添いだったりすることはよくあるだろう。こうしたことに改めて気が付いた。

読解・作文トレーニング 小学生版4年生 (読む力・書く力をぐんぐんのばす)

小4次男にやらせているが、なかなか良い。この言葉はどこにかかっているか、これが意味していることはどれか、など細かく問題にしている。こういう練習をすると言葉に注意深くなりとても良いと思う。社会人になっても主語・述語がなんだかわからないいまいちな報告書を書く人も多いが、小さいころから言葉に敏感になるのは社会人になっても役立つスキルであり非常に有益と思う。

闇金ウシジマくん(21)

時々読むウシジマくん。残酷な描写も多く全般的に好きなわけではないが、時々ぐっとくるシーンがある。この21巻良かった。浮気を重ねた男の話だが、妻にたいして、”家族のために子供の為に自分の時間を捧げてきたんだ、なんでもっと早く気が付かなかったんだろう、白髪の一本一本が愛おしい...”と後悔するシーンがジーンときた。
男は種をたくさんばらまきたいという本能があり基本的に浮気性だと思う。長年連れ添っている女性とは親愛度は高まることはあっても性的魅力はなぜか薄れていく。そんな中、外の新鮮な女性と付き合いたくなるのは男のDNA, 体に刻まれた本能だろう。そんな中、このような漫画、セリフを見ると家庭を必死で守っている妻がとても愛おしくなる。"白髪の一本一本が愛おしい"というのがいい。

 

もうすぐ夏至だ

 

妻の女性誌で初めて永田先生を知った。生物学の京大教授にして歌人という二刀流に興味を持ち本を読んだ。タイトルもすごく魅力的だし、内容も家族、仕事、歌など、非常にしまった文章で書かれていてすごく良かった。