著者は慶応大学経済学部教授。
”中古・賃貸・リフォーム市場を活性化せよ”という本書。日本の住宅市場は先進諸国の中で異色らしい。中古住宅市場の規模が極めて小さい、中古住宅がすぐにただ同然になってしまう、といった点などである。私も、家が20年経つとほとんどただ同然になって、すぐに取り壊されたりするのは不思議だったが、これは日本の、特に戦後の、高度成長期に生まれた傾向らしい。戦前の日本はもっと大事に家を使っていたとのことである。
私も一時期中古住宅を探していたことがあるが、確かに物件が少ない。そしてある程度古くなった住宅は”古屋”扱いにされ、売り物扱いではなくなり、取り壊し前提になってしまったりする。まあ不動産屋は利ざやの大きい新築を売りたいからこういう構造になってるんだろうな、と思っていたが、日本でも欧米並みに中古市場が活性化すると良いと思う。