渡辺淳一さんの名はもちろん知っていたが特に興味はなかった。が、ご逝去された際、よくテレビで特集をやっており、実体験として心中を考えるほどの不倫をしていた、とのことで、いいおっさんが心中を考えるなんてどんな人なんだろう、と興味を持ち”化身”を読んでみた。
金も時間も余裕のあるおっさんが
若い女におぼれる話。正直くだらない話だな、と頭の片隅で思いつつも、何となくおもしろくて上下合わせると1000ページくらいあるだろうか、あっという間に読んでしまった(ただし下巻はかなり飛ばし読み)。話はおもしろい。これが
渡辺淳一の魅力か。娯楽小説としてよいできなんだと思う。
余談だが、こういう女に溺れるおっさんというのは暇と金あっての話だな、とつくづく思う。仕事や育児ででいっぱいいっぱいで睡眠時間を確保するのが精一杯の多忙な人ではあり得ない話だな、と別世界の人間を見る思いで読みました。時間と金を持て余したおっさんたちが女に溺れるんじゃないかと思います。