記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

化身

化身〈上巻〉 (集英社文庫)化身〈上巻〉 (集英社文庫)
(2009/09/18)
渡辺 淳一

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渡辺淳一さんの名はもちろん知っていたが特に興味はなかった。が、ご逝去された際、よくテレビで特集をやっており、実体験として心中を考えるほどの不倫をしていた、とのことで、いいおっさんが心中を考えるなんてどんな人なんだろう、と興味を持ち”化身”を読んでみた。 金も時間も余裕のあるおっさんが若い女におぼれる話。正直くだらない話だな、と頭の片隅で思いつつも、何となくおもしろくて上下合わせると1000ページくらいあるだろうか、あっという間に読んでしまった(ただし下巻はかなり飛ばし読み)。話はおもしろい。これが渡辺淳一の魅力か。娯楽小説としてよいできなんだと思う。 余談だが、こういう女に溺れるおっさんというのは暇と金あっての話だな、とつくづく思う。仕事や育児ででいっぱいいっぱいで睡眠時間を確保するのが精一杯の多忙な人ではあり得ない話だな、と別世界の人間を見る思いで読みました。時間と金を持て余したおっさんたちが女に溺れるんじゃないかと思います。