良い本でした。
著者は東大卒業後、キャッツ株式会社というところに勤務している方。
何故夏は暑いの?何故テレビは映るの?何故風邪をひくの?
など、子供が疑問に持ちそうなことを非常にわかりやすく解説しています。理科に自信のないお父さんにお勧め。
かくいう私も理系ですが専門としていたのは数学やITなど、比較的抽象度の高いもの。天文とか化学、生物など具体的な事象には強くないと思っているので、こういう本を読みながら子供と一緒に勉強していきたいと思っています。
私は恥ずかしながら、以前はインフルエンザなどではない普通の風邪は身体が冷えると調子が悪くなってひくものだと思っていました。風邪はウィルスや細菌が原因だと知ったのは5-6年くらい前です。要するにウィルスは常に空気中にいて、身体が冷えると抵抗力が落ちてウィルスに感染するということですね。普通の軽い風邪は、ライノウィルスやコロナウィルスといったウィルスが原因となることが多いようです。うーん、ライノウィルスなんて言葉、初めて聞いた。
ついでに恥ずかしながら、5-6年くらい前まで、ウィルスというのも言葉は良くものの、何者なのかあまりよく認知してませんでした。DNAや
RNAは持っていながらも自分では増殖や
代謝ができない、生物と無生物の中間にあるような半生物のような存在ですね。以前子供に、”ウィルスは生物だ”といってしまい、その後訂正しました。増殖、
代謝といった生物としての機能を持たないため、生物的ではあるが生物ではない、といった見解のが一般的なようですね。
ついでに、以前は
大腸菌とか乳酸菌といったものが生物だという認識がありませんでした。これらはDNAを持ち、我々と同じDNAのコード体系を持つ立派な生物なのですね。コード体系が同じだから、人間のDNAを
大腸菌に入れて
たんぱく質を製造したりできるそうです。
大腸菌と人間ではDNAの7%が共通しているそうです。
本書によると、人の腸内には100兆個以上の細菌が生息しているそうです。人間の細胞は60兆個なので、それよりはるかに多いですね。最近の総重量は1kgにもなるそうです。人間は自分を一人の個体だと思っていますが、全然一人ではなく、共生体ですね。体内には100兆個以上の別の生物が生きているのですね。
子供の頃、かまきりの中に
ハリガネムシがいる、とか、人にもサナダムシが寄生することがある、などと聞いて非常に気持ちの悪い思いをした記憶がありますが、人間には普通に別の生物がすんでいるとうことですね。菌の中には乳酸菌のような善玉菌もいれば、
ウェルシュ菌のような悪玉菌もいるとのことです。
こういう本を読むと生物や天文などへの興味が喚起されます。しかし自分が学生の頃を振り返ってみると、あまり興味を持ちませんでした。私もあまり勉強は好きではありませんでした。恐らく教科書が授業がおもしろくなかったからでしょう。こういった楽しさを教えてくれる本や先生がいると子供は科学に興味を持つのだと思います。うちの息子たちもそういう先生にめぐりあえると良いですが、自分を振り返ってみるとあまり学校の先生には期待できないような気が...。勉強の楽しさを教えてくれる先生、非常に少なかったなあ...。何か学校授業も退屈だったなあ...。できるだけ私が父親として教えてやりたいと思います。