記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

頭のいい子の育て方

頭のいい子の育て方頭のいい子の育て方
(2009/11/18)
安河内 哲也

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著者は東進ハイスクール四谷大塚NETで20年以上に渡る指導を続けてきた英語講師の方。TOIEC990点満点、英検一級とのこと。知育について具体的な教材も含め語ります。 本書で一番良かったのは、家の中を「勉強テーマパーク」にしよう、という主張。いいですね。このようにすることで子供の興味が自然に勉強に向かうとのこと。「勉強テーマパーク」、楽しそうですね。工夫していきたいところです。 そして次に印象的なのが、著者は英語講師であるが、過剰な早期英語教育に否定的であること。幼いころはまずは国語力を磨けと。確かに、第二か国語の限界は母国語の限界を超えることはないでしょう。日本語でいまいちな文章しか作れない人が英語で素晴らしい文章を作れる、というのはないでしょう。この日本語能力、あまりクローズアップされていませんが、非常に重要だと思います。日本人であれば日本語で日常会話ができるのは当たり前ですが、ビジネスで要求されるような主張を論理的に伝えることやわかりやすい文章を書くといったことになると非常に個人差があるのが現実です。これは会社で仕事をしていると痛切に感じるところです。いまいちな日本語しか書けない人は英語になっても同じでしょう。 とはいえ、外国語取得の臨界期は13歳といった学説などもあり、やはり早期英語教育は気になるところ。私も特に、子供には英語の音には親しんでいってもらいたいと思っています。やはり日本人はなかなか英語の音が聞き取れない。子供の頃から英語の音に親しんでいけば違うんではないでしょうか。というわけで、時々一緒に英語のTV番組など見ています。 先日私が洋画を見ていたら隣で遊んでいた子供が"yellow"という単語に反応してました。おっ、ちゃんとNativeのYellowに反応してんじゃん、とちょっと嬉しくなりました。一緒に洋画などを見て英語に親しんでいけたら良いと思います。 以下、抜粋。
  1. 私は予備校で「頭がいい」といわれる子供たちをたくさん見てきました。彼らに共通するのは「日本語の能力がすぐれている」ことです。P.30
  2. 国語力をつける経験教育のひとつが「読書」です。...本を買うお金を惜しんではいけません。P.33
  3. 親子とも算数が好きで得意という家庭では、ある共通点がありました。それは、親子で「魔法陣」や「数独」「ナンプレ」などの様々な算数・数学パズルを楽しんでいるのです。P.43
  4. 頭のいい子供を育てるためには、「勉強が好き」になる家庭環境づくりをすることも大切です。家の中を「勉強テーマパーク」にし、子供が「勉強するのは当たり前のこと」として受け入れられるようにするのです。例えば、家の中には、本、ボードゲーム、パズル、天体望遠鏡、顕微鏡、教科書、参考書、理科の実験キット、英語のDVDなど、知的な娯楽があふれているようにします。...テレビは、ニュース番組や教養番組を中心に見る。...家族がそれぞれ自室にこもって勉強や仕事をするのは、あまりおすすめしません。可能な限り、居間や食卓で、家族そろって勉強や仕事をする習慣を持つといいと思います。こんな具体に、知的なものにつねに触れている生活、知的活動が当たり前の習慣になっている家庭、そうした家庭環境をつくっていければ、子供はおのずと「勉強」の方向に向かっていくはずです。P.69
  5. 20年以上、予備校講師をしてきた経験から、「子供の学力は親によって大きく左右される」と強く感じています。親自身が知的活動に取り組み、知的な家庭環境をつくる工夫をしている家庭の子供は、やはり学力の伸びも大きい。P.69
  6. 「食卓や居間で勉強すると、まわりがうるさくて子供の勉強がはかどらないのでは?」という質問を受けることがあります。しかし「静かなところでしか勉強ができない」というのでは、この先困ってしまいます。例えば、高校受験や大学の受験の試験会場はしーんとしているわけではありませんよね。...子供が大人になり、社会人になったときは、さらにそうです。P.75
  7. 私の考えでは、英語を本格的に勉強しはじめるのは中学校に入る前からです。その前の段階、つまり幼児期から小学生までは、英語の勉強に全力で取り組む必要はありません。割合としては、国語が9割、英語が一割くらいが妥当でしょう。具体的には、楽しく遊べる英会話ルームに通う、子供用の英語DVDを一緒に見る、簡単な英語の歌を一緒に歌う、など。...この段階では、母国語である日本語の勉強、つまり「国語」の勉強を超えないようにすることがポイントとなります。そうしないと、英語を乗せるための母国語の土台が脆弱になっていしまいかねません。P.190