記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

リーマン予想は解決するのか?

リーマン予想は解決するのか?_絶対数学の戦略リーマン予想は解決するのか?_絶対数学の戦略
(2009/06/08)
黒川信重小島寛之

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リーマン予想の権威、東工大の黒川教授と、経済学者にして数学エッセイスト、帝京大学教授の小島 寛之さんの共著。 読みやすく良かったです。特に小島教授の書いた、リーマン予想まであと10歩、という章は45ページくらいでリーマン予想に関して多少数式を交え良くまとまっておりとても良かったです。私は数学科出身なのでもちろんリーマン予想は耳にしていましたが、何かとっつきにくくなじめませんでした。どうもゼータ関数と言うのが何か気持ち悪くて。ゼータ関数は一部の数学者を魅了してやまないようですがピンときていませんでした。この章はまとまっていて良かったです。 リーマン予想が正しければ素数が非常に美しい分布をする、ということになるそうです。 最近はリーマン予想が数論幾何や物理学と結びついて盛り上がっているようですね。しかしながら黒川先生によればリーマン予想は解決にはまだまだ遠いようですね。黒川先生はこれを解くこと自体より、解くために進化する数学の枠組みに期待しているところがあるようです。 壮大すぎて私のような凡人にはついていけない分野ですが、エッセンスは少しずつ勉強していきたいものだと思いました。