リーマン予想の権威、
東工大の黒川教授と、経済学者にして数学エッセイスト、
帝京大学教授の小島 寛之さんの共著。
読みやすく良かったです。特に小島教授の書いた、
リーマン予想まであと10歩、という章は45ページくらいで
リーマン予想に関して多少数式を交え良くまとまっておりとても良かったです。私は数学科出身なのでもちろん
リーマン予想は耳にしていましたが、何かとっつきにくくなじめませんでした。どうも
ゼータ関数と言うのが何か気持ち悪くて。
ゼータ関数は一部の数学者を魅了してやまないようですがピンときていませんでした。この章はまとまっていて良かったです。
リーマン予想が正しければ
素数が非常に美しい分布をする、ということになるそうです。
最近は
リーマン予想が数論幾何や物理学と結びついて盛り上がっているようですね。しかしながら黒川先生によれば
リーマン予想は解決にはまだまだ遠いようですね。黒川先生はこれを解くこと自体より、解くために進化する数学の枠組みに期待しているところがあるようです。
壮大すぎて私のような凡人にはついていけない分野ですが、エッセンスは少しずつ勉強していきたいものだと思いました。