記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

脳の中の「私」はなぜ見つからないのか?

脳の中の「私」はなぜ見つからないのか? ~ロボティクス研究者が見た脳と心の思想史脳の中の「私」はなぜ見つからないのか? ~ロボティクス研究者が見た脳と心の思想史
(2007/08/01)
前野 隆司

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おもしろい本です。慶応大学教授のロボット博士による心の理論。 前野教授は、受動意識仮説を提唱し、本書ではそれを哲学や宗教に絡めて論じます。 受動意識仮説というのは要するに、心は中央集権的なものではなく分散処理的な、社会的なものであり、「私」が統治し判断しているといったのは幻想である、といった理論です。意識というのは単にエピソード記憶をするためにあるものであり、意識で判断しているわけではない。意識は小人達の判断結果を受け取る受動的なものである。 これは納得がいきます。実は我々が大事にしている自分、意識、といったものは実は対した物ではないんじゃないか、という気がします。 ただ、本書では東洋思想や哲学を勉強して受動意識仮説を検証していますが、本を何冊か読んで、こんなものかと自分でわかる範囲で理解して、自説と比べているという印象です。