相対性理論の基礎が
一般相対性理論も含みわかりやすく解説してある本。著者は
愛知教育大学教授。
よくある、電車の中央から光を発する現象が、電車内の観測者には同時に観測されるが地上の観測者には同時に観測されない、という例がわかりやすく解説されている。
この際、この”見える”や”観測される”という言い回しから誤解が生じやすいとのこと。多くの相対論の教科書や啓蒙書では、しばしばこの”見る(観測する)”の言葉に2つの意味を持たせて説明してしまっている感がある、つまり、発生した2つの出来事が「観測者の目にどう見えるか」という内容と「その座標系の座標値としてどう測定されたか」の違いであるとのことです。
私も
相対性理論の本を読んでいるとこの点がわかりにくいと思っていました。何となく表現からは前者の意味のように思えてしまうがそうするとなんだかわからない。実際は後者の意味で言っているのである。この点を著者は列車の両端に「時間記録装置」がついているという想定でわかりやすく解説しており、これがわかりやすくて良かった。