記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

2012年、読んで良かった本

2012年、早かったです。いろいろと良い本を読むことができました。 こうしてブログに読書記録などをつけて1年を振り返ると、自分の今年の興味の変遷などが浮かび上がり、楽しいものですね。前半は比較的、古典や俵万智さんなどの和歌などに興味を持っていたのが、後半になると科学的な本が増えていることに気がつきます。 今年読んで良かった本のベスト5を上げるとすると、こんなところです。 1.連分数のふしぎ ブルーバックス数学書ですが、これはおもしろかった。著者は代数幾何を専門とする数学者なので連分数は専門外であるが大好物とのことであるが、その気持ちがよくわかる。連分数っておもしろい!私は数学を専攻したので連分数は目にはしていましたが、なんだか古典的な気がしてあまり興味は惹かれなかった。が、楽しいです。連分数を使うと楽しいのは、黄金数や平方根といった数の特性が目に見えてわかること。例えば、黄金数は良い有理数近似を持たないという特性があるが、それが連分数で表示すると1が並ぶことからビジュアルな形でわかる(連分数展開で大きな数字がでるほど良い有理数近似となる)。これが植物の葉序などによくフィボナッチ数が現れてくる秘密となるわけですが、この点を数学的に詳しく解説している本は少ない気がします。本書をきっかけに2012年はまた数学への興味が復活してきました。あれこれ数学書を読んでいます。 黄金数やフィボナッチ数は子供が数学へ興味を持つ上でおもしろトピックですので、私も息子に教えてやりたいと思っています。 2.脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める 篠山先生の本は他にも読みましたが、どれも良かったです。脳の特性を活かした仕事術、勉強術といったところですが、目から鱗といった感じで有効なアドヴァイスでした。こんな本を学生時代に読みたかった。例えば本書では、意識的に時間の制約を作り出すことで試験を受けているような状態を作り出すことが仕事の集中力を高める上で重要といった点が印象的でした。脳は何時間も集中力を保つことができないため、時間を制約してその間は集中して仕事をする、そうした時間帯を区切って仕事をすることが有効。確かに、時間に余裕があるときほどたらたら仕事をしがちなことに気がつきます。 3.[通じる英語はリズムから]Mary had a little lamb 子供が英語の音になれるように、との思いで買いましたが、おもしろいくらいはまってくれました。マザーグースの歌はやはりおもしろいようです。私が聞いていてもおもしろく、私もマザーグースに興味を持つようになりました。結構長い歌もあるのですが、子供は8割がた空で歌えるようになっています。これだけでは飽き足らない様子なので、YouTubeマザーグースの歌を調べてやり聞かせていますが、これもまた覚えて歌っています。英語の興味のきっかけとしてマザーグースは良いと思います。 4. ユーザーイリュージョン―意識という幻想 デンマーク科学ジャーナリストが書いた、タイトル通り意識は幻想である、ということを様々な実験結果や学説などから述べていく分厚い本。本は分厚いのだが非常に説明が巧みで、あっという間に読みきる。意識が幻想であるといったことは前野先生の本など類書は多々あり多くの人が主張していることであるが、特にこの著者の説明は説得力がある。 5.齋藤孝の速読塾―これで頭がグングンよくなる! 年の終わりごろに齋藤先生の読書術、勉強術、といった本をあれこれ読んでいましたが、非常にやる気を駆り立てられるものが多く有益でした。齋藤先生の本を読むと読書する気力が書き立てられます。読むだけでは素振りをしているようなもので、それを何でも、ちょっとでもいいからアウトプットすることで格段に効果は高まる、ということを随所で述べています。確かに私もこうしてブログにちょっとでも感想を書くようになり読書が楽しくなりました。人間の脳はアウトプットをすることで始めて情報を自分の知識とすることができる、とはよく言われることですが、それを実感します。書評を書いたり、人に話したり、マインドマップにまとめる、など、アウトプットを心がけていきたいと思います。