動物行動学者、京大名誉教授、
日高敏隆先生の本。小学生の頃から、なぜチョウは決まった道を飛ぶのか、といったチョウに対する疑問を持ち続け追求していく様子が描かれています。文章も平易でわかりやすく、昆虫に対する興味を喚起します。
結論として、アゲハチョウのようにチョウ道を持つチョウは光の強さや木の葉、温度などを基に道を決めているようです。
その他、なぜチョウは花がわかるのか、なぜモンシロチョウはオス・メスを識別できるのか、といった素朴な疑問を追及していきます。本書ではこの追求していく過程がわかりやすく描かれており良いですね。
ちなみにモンシロチョウに関しては、人間の目にはオス・メスの区別はわかりにくいですが、紫外線を見ることのできるモンシロチョウにとってはオス・メスの区別は容易であるそうです。
チョウ道、確かにありますね。私もうちの庭によくアゲハチョウが来ますが、決まった道をいったり来たりしているように感じていました。そうした疑問を徹底的に調べていく姿がすごいと思いました。
モンシロチョウのオス・メスの識別の話もおもしろいです。昆虫は我々とは全然違う世界を見ているわけですね。確かにこのオス・メスの識別、というのは生物にとって基本的な能力ですね。間違えたら困るわけですから。なので、最近流行のニューハーフなど、性差が曖昧な人たちというのは生物学的に稀少なのだと思います。確かに男と女の区別が難しかったらいろいろ大変でしょうね。