良寛を紹介しながら鶴太郎さんが自分のことなどを語るエッセイ。
鶴太郎さんってあまり好きではありませんでした。コメディアンとして活躍していた頃はおもしろくて好きだったんですが、その後ボクシングをやったり芸術家きどりででてきたり。なんかかっこつけてんなー、って感じで
いけ好かない感じでした。しかし本書では、TVの先端から一歩ひいてこうした生活で感じた不安など書かれており、等身大の人間、鶴太郎、が感じられて少し好きになりました。鶴太郎さんは五十の頃、人生に対する不安をふつふつと感じるようになり
うつ状態であったとき、
良寛さんとの出逢いがあり、その書や詩などの魅力に取り付かれていったそうです。
良寛さん、好きな人多いですよね。あの
ナチュラルな生き方に憧れる人、多いのだと思います。優しい気持ちになりますね。恐らく日本の人気僧、Best 5とかあったら、ラインインするのではないでしょうか。私も好きです。
随所に
良寛さんの詩や書が載っていて、おしゃれで、
良寛さんの入門書としても良い本だと思います。
私が大好きな
良寛さんのことばも載ってました。
親鸞の
悪人正機のように、文言を表面的に取らえてしまうと物議をかもしそうな苦味の在ることばですが(おそらく子供にはわからない)、日本史に残る屈指の名言だと思います。
座右の銘としたい。
災難に逢う時節には、災難に逢うがよく候。
死ぬ時節には、死ぬがよく候。
是ハこれ災難をのがるる妙法にて候