著者は
東京学芸大の
助教授と研究員。
説明がわかりやすい。
シュレーディンガー方程式の導出の説明もわかりやすかった。
Excelで描かれる図も綺麗で良い。
本書でよかったのは、"
シュレーディンガー方程式は導かれるような性質のものではなく、自然界の
基本法則であることに注目しよう。このことは、
ニュートンの
運動方程式が自然界の根本法則であって、別の法則から導かれるようなものではないことと同様といえる”(P.39)という説明。なるほど。私のような数学出身の人間だとついつい
シュレーディンガー方程式も公理から導出されるようなイメージを持ってしまいもやもやしていたが、確かにこれは定理ではなく法則なんだな。納得です。
確かに、
ニュートンの
運動方程式はどうやって導出するのか、などと考えたことはありません。物理は数式が一杯でてくるのでついつい数学の本を読んでいるような気になってしまいますが、根本的に違う学問でしょう。数学は物理のように実験ができないのである意味証明が全てですが、物理は実験と合うかどうかが第一で理論性は二の次なのでしょう。いくら綺麗な理論でも実験に合わなければ価値はない。逆になんだかよくわからない方程式でも実験を説明できれば価値がある。こんなところかと思います。