記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

Excelで学ぶやさしい量子力学

Excelで学ぶやさしい量子力学
Excelで学ぶやさしい量子力学新田 英雄 工藤 知草

オーム社 2005-12
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著者は東京学芸大の助教授と研究員。 説明がわかりやすい。シュレーディンガー方程式の導出の説明もわかりやすかった。Excelで描かれる図も綺麗で良い。 本書でよかったのは、"シュレーディンガー方程式は導かれるような性質のものではなく、自然界の基本法則であることに注目しよう。このことは、ニュートン運動方程式が自然界の根本法則であって、別の法則から導かれるようなものではないことと同様といえる”(P.39)という説明。なるほど。私のような数学出身の人間だとついついシュレーディンガー方程式も公理から導出されるようなイメージを持ってしまいもやもやしていたが、確かにこれは定理ではなく法則なんだな。納得です。 確かに、ニュートン運動方程式はどうやって導出するのか、などと考えたことはありません。物理は数式が一杯でてくるのでついつい数学の本を読んでいるような気になってしまいますが、根本的に違う学問でしょう。数学は物理のように実験ができないのである意味証明が全てですが、物理は実験と合うかどうかが第一で理論性は二の次なのでしょう。いくら綺麗な理論でも実験に合わなければ価値はない。逆になんだかよくわからない方程式でも実験を説明できれば価値がある。こんなところかと思います。