記憶の索引2

東京の普通の会社員の日記。本や映画の感想、自然観察、日々の思い、など。 興味は科学、数学、脳と心、精神世界、植物、育児、教育、ビジネス、小説、などなど。

結婚前線

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(1986/04)
落合 恵子

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書店勤務の24歳、麻田甲斐君の恋愛物語。おもしろい。 職場の憧れの先輩、高谷さん。この甘い気持ち、よくわかります。 著者は女性ですが、男の気持ち、よく描かれていますね。こうした甘い気持ち、その当時は苦しかったりするのですが、年をとって改めて振り返ると、貴重な感情だったと思います。 返事を待たずに、俺は彼女の頭をタオルで包み込むとゴシゴシ拭いた。高谷さんは、大人しく俺のするままになっている。こんな背丈だったことに、俺は改めて気が付いた。 彼女の頭がこんな大きさであることも初めて知った。何だか、とても可愛い大きさだ。 不思議な感情が、俺の心に寄せてきた。それを振り払うように、俺は少し乱暴に拭き続けた。 その時、果実の皮を剥いたように、タオルの間から高谷さんの顔が覗いた。あどけない顔だな、俺はそう思った。 どうして、こうなったのだろう。気がついたら、俺は高谷さんにキスしていた。俺は夢中で、彼女の唇を吸っていた。とても甘い唾液が、俺の口の中に解けて行った。